なんでも屋 神…第二幕

無気力な瞳をした若者達が、所構わず歩道や道路の境に腰を下ろしている中、営業停止を食らっても人気の衰えないclub［four-rose］。



その人気の高さは、建物の周りを取り囲んでいる人数で推し量る事が出来るだろう。



男女併せて、五十人は居るのではないだろうか？



しかし、普段は若さに物を言わせている若人達も、黒のシングルスーツを着こなした若衆と、雄々しい紋付きを着た神堂の姿に、視線を合わせる者は言ない。



黒いシングルスーツを着ている者達は、赤城を始めとした兄ぃの子飼い達。



勿論、その中にはノリも含まれている。



「今着いたぞ奏。」



［four-rose］の前で奏に電話をかけ、それだけ言うとデニムに携帯を戻した。



鍵の開く音と共に、扉を開けて奏が出迎えてくれる。