なんでも屋 神…第二幕
緊張が迸る室内で、自然と感情の高ぶりを知らせるもう一人の自分…。



それは何度沈めようとしても、浮き上がり顔を現す。



その関係性は、太陽と月の関係に酷似しているかもしれない。



永遠の如く上昇と下降を繰り返す二つ。



そしてそれは性格や精神状態、思考にまでそのまま影響を及ぼす…と言う事は、俺は二重人格者なのだろうか?



こみ上げる含み笑いを押し殺した俺を、神堂とノリは気でも触れたのかと、不思議そうな面持ちで見つめてくる。



二重人格と言われても、決して否定はしない。



確かに俺は、怒の感情が人より多いのかもしれない。



最愛の妹である真美を失い、右腕に毘沙門天を彫り秘めた時から、俺は憤怒の化身に成ると決めた。



後悔はしていない。
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