なんでも屋 神…第二幕
白々しくその物体を擬視する金城…。



この男は狡猾さと幼稚さが入り交じったようで、中々掴み所が見つから無い。



「こんな物は知らない。」



きっぱりと否定しておきながら、視線は一カ所に留まる事は無い。



…恐らく、心中では戸惑いが渦巻いてるだろう。



「じゃあ、誰かさんが考えた安っぽいシナリオでも話しますか。事の始まりは[神堂組]の世代交代の噂が飛び交う前まで遡ります。」



凍り付いた表情から体温が奪われていくように、金城の顔色は土色へと変化していく。



それはまるで、末期癌を宣告された患者の様相だった。



「ある組の跡目を継いだ男は、この街の裏社会を牛耳ろうと、画策する日々を送っていた。そして目を付けたのが、新種のドラッグカクテル…クラブドラッグ。」
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