なんでも屋 神…第二幕
そのまま俺の脇に音も立てず腰を下ろした大さんに、デニムから取り出した二本のタバコの内、一本を差し出して火を付けた。



「さっき事務所に来て正式に依頼を受けたよ。大さんの友人と言っていたけど…。」



本来なら、ホームレスの人々は自分の過去を詮索されるのを何より嫌う。それにより、残されているならば家族や親戚、友人知人に迷惑が及ぶかもしれないからだ。



それに、普通の生活をしていた頃を思い出したくないと言う事も有る。しかし、それを承知の上で俺は話しを切り出した。



今回の依頼の背後関係を洗うと同時に、大さんと古川さんの間に何か有ったのか、聞けるなら聞いておきたいと思う。



「…友人か。古川が未だそんな事を言うてくれるとはな…。」
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