なんでも屋 神…第二幕
この時の大さんに罪悪感等は微塵も無く、あのケチな工場長が自分を許す筈が無い、このままなら自分は一生此処でタダ働きになってしまうかもしれないと言う、恐怖感だけが脳内を支配していた。
怖ず怖ずと田舎に帰る訳にもいかず、大さんが身を寄せたのは、同じく集団就職で上京していた古川さんの下宿先。
その頃、造船工場で働いていた古川さんには、一つの夢が有った。小さくても良いから、何時か自分の城(工場)を持つ事。
其処に現れた腕の良い溶接士大さん…当時で言えば小金井泰造。古川さんは、迷わず造船の下請け工場設立を夢見た。
その後二年間、大さんは給与の良い職場だけを渡り歩き、古川さんは変わらずに造船工場に勤め、空いた時間は日雇いもしていた。
若い時というのは向こう見ずで恐ろしいく、二人共毎日の食すら削り、三日四日寝ずに働いた。その甲斐有って、纏まった金額が二人の元に貯まるまで、そう時間はかからなかった。
怖ず怖ずと田舎に帰る訳にもいかず、大さんが身を寄せたのは、同じく集団就職で上京していた古川さんの下宿先。
その頃、造船工場で働いていた古川さんには、一つの夢が有った。小さくても良いから、何時か自分の城(工場)を持つ事。
其処に現れた腕の良い溶接士大さん…当時で言えば小金井泰造。古川さんは、迷わず造船の下請け工場設立を夢見た。
その後二年間、大さんは給与の良い職場だけを渡り歩き、古川さんは変わらずに造船工場に勤め、空いた時間は日雇いもしていた。
若い時というのは向こう見ずで恐ろしいく、二人共毎日の食すら削り、三日四日寝ずに働いた。その甲斐有って、纏まった金額が二人の元に貯まるまで、そう時間はかからなかった。