なんでも屋 神…第二幕
翌年、小さいながらも造船工場を立ち上げた二人は、小さい工場ながらに回転数を上げて働き、その業績は右肩上がりそのもの。



だが、災難は忘れた頃にやってくる…。



執念深い工場長が、一角の成功を治めた大さんを捜し当て、あの時の慰謝料を請求してきた。



古川さんは製品の新しい卸先探しに奔走していて不在…大さんは、金庫から現在の貨幣価値にして壱百万をポンと支払った。



…一言で言えば見栄を張ったのだ。当時の壱百万円は、小さな造船工場が傾くには十分過ぎる金額だった。



工場長が帰った後…何とか壱百万を工面しようと思った大さんは、其処から見事な程ドツボに嵌まっていく。



慣れないギャンブルや株に手を出し、慣れないながらも五拾万を工面し、残りの五拾万は日割りの高利貸しから借りた…。
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