なんでも屋 神…第二幕
支払期日を延ばせば延ばす程、倍々に近い延滞金が増えていき、遂に大さんは古川さんに全てを打ち明けた。



しかし…手の早いのは何時の時代も高利貸しの方。更に其処から融資を繰り返し、溜まった金利だけで事実上工場を差し押さえられてしまった。



今のように、金融業の貸付金利…グレーゾーンが声高に叫ばれる遙か昔の話し。脅えた大さんは、古川さんの前から全てを投げ出し…消えた。



「今から何十年も昔の話しじゃよ。あの後で、古川が借金をどうしたかは儂も分からん…。」



色を映さない硝子玉のような瞳で、目の前で遊んでいる子供達を見つめる大さん…人にはそれぞれ歴史が有るもんだな。




「古川をこの公園で見かけるようになったのは、今から半年前じゃ。上品そうな婦人と一緒でな…儂はとっさに身を隠したよ。」
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