なんでも屋 神…第二幕
そう言って目尻を下げて屈託無く笑う姿に、思わず俺は二人の男の影を重ねた…。



その全身から醸し出す、冷冷とした雰囲気と年格好は兄ぃ…目尻を下げて屈託無く笑う様は、昔の小龍の面影。



直感で敵に回していい男では無いと悟るが、何故俺の事を知っているんだ…。



俺の記憶の中では兄ぃと昔の小龍だけが、交互に浮かんでは消えていく。



「私の店と関係無いのなら、敵では無いですね。申し遅れました、私の名は三龍(サムロン)です。ちょっとお待ち下さい。」



兄ぃや小龍が纏っている雰囲気が、紛い無き漆黒だとすれば、同じく裏社会に生きているであろう、この三龍と名乗る男が纏う雰囲気は異様そのもの。



敢えて例えるなら、そのシルバーのベルトを生やしたオメガの文字盤の如く、深海のような黒みがかった碧…。
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