なんでも屋 神…第二幕
三龍の言い分を全て信じる程愚かでは無いが、小龍の血筋、連絡を絶っていたと言うのは納得出来た。



小龍からは一度も三龍の名前を聞いた事は無かった。



だが、黒龍と無関係だと言うのは、甚だ信じるつもりは無い。現に三龍は、裏の匂いを隠し切れていない。



「小龍があんな事になってしまった所為で、穏やかに生きていた私が大陸の方から指名された訳です。」



先程隣に座っていたホステスが戻って来て、俺と三龍の水割りを作ると、不穏な雰囲気を感じ取ったのか、直ぐ様何処かへ行ってしまった。



「しかし小龍の事は仕方有りません。確かに我々チャイニーズマフィアは、日本のヤクザに比べれば残虐で非道です。敵となれば相手を殺し、相手の家族まで殺します。」



其処で俺がブランデーグラスを手に持つと、三龍も話しを区切ってグラスを手に持ち、お互いグラスの上辺だけを合わせて乾杯した。
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