なんでも屋 神…第二幕
「それでアンタ…三龍さんはその時期が来るのを待ってるのかい?あれで中々、日本のヤクザはしぶといよ。」



喉を鳴らし、水割りを一気に流し込んだ三龍は、顔の前で手を横に振った。



「とんでもない。私は大陸から寄越される指示を、のらりくらりと躱す(かわす)だけですよ。さっきの写真の横に居たのは私の妹です。妹を連れて諍いを起こすと思いますか?この店で妹にだけは連れ出しをさせません。あの男性にもそう伝えて下さい。もう十分ウチの店に金は落として貰いましたから用済みも同じです。」



全てを上手くあしらわれているのは、今の俺のような気がするが、今はそれで良い。軽んじられた方が後々扱い易い。



「そう言えば、神君にも妹が居たとか…。」



潔く前言を撤回し、腹の中では憤慨しながらも、ソファから勢いよく立ち上がり、上から三龍に冷眼を投げ掛けた。
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