なんでも屋 神…第二幕
昨日程では無いにしろ、ファンデーションを塗りたくった半田さんの娘も、その表情に不快感を露わにしている。



「しかしな…。」



言い掛けた古川さんの言葉を遮るが如く、吸いかけのタバコをアルミ製の灰皿に押し付ける息子。



この息子が指定した時間より遅れて到着したお陰で、話し合いは未だ平行線を辿ったままだ。



「俺にどれだけ迷惑を掛ければ気が済むんだ!親父の借金の所為で俺は大学にも行けず、今の会社の出世競争からは最初から外されてるんだぞ!」



言い方を変えれば、子供が親を追い越したとでも言おうか…。



しかし、俺はそうは思わない。何時から親子の立場というものは逆転してしまうのだろう。
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