なんでも屋 神…第二幕
「それは違う!」



[トレイン]の中に居た六人の、十二の瞳の先が入り口ドアに釘付けになった。



…大さん。



「古川は悪くないんじゃ…古川の借金は儂が拵えたものでな。それを文句一つ言わずに返してくれたんじゃ…息子さん、すまんかった。」



…大さんには場所と時間は伝えてあったが、話しが拗れると思って来ないよう言っておいたのに。



音も立てずボックス席の前まで歩いてきた大さんは、発した言葉と同時に息子の足下に土下座した。
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