なんでも屋 神…第二幕
初めて聞いたと言わんばかりに、白髪しかない大さん後頭部に双眼を見開く息子の脇では、大さんの体臭に半田さんの娘が鼻を背けた。



大さん達がまともな風呂に入れるのは、年に数回程度。それでも、今日は普段より幾分ましな方だ。



…大さんなりに気を使ったんだろう。幾ら春とは言え、夜の公園で水浴びするのは、例え七十を過ぎた老人でなくとも堪えるのに。



「こんな人と知り合いなんて…そんな人には尚更母を任せられません!」



枕木を敷き詰めた床には大さんの涙が零れ、古川さんは肩から力が抜けたように俯いた…。



気を取り戻した息子も、その意見に同意するかのように、何度も首を縦に振り続ける。
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