なんでも屋 神…第二幕
「先ずはご足労頂き有り難う御座います。私はドアの看板にも有ったように、此処で[なんでも屋]を営んでいる神と言うものです。」



何だこの若造はと言わんばかりの二人を、古川さんと半田さんが事務所を訪れた時と同様、デスクの前に促して座らせた。



「勘違いなされると困りますので、先に申し上げておきます。二人からの御依頼は駆け落ちでした。ですが、私の気が変わりまして、反対なさっているお二人にあの二人の関係を認めて頂こうと思います。」



そう、本来あの二人からの依頼は駆け落ち。ならば、俺の仕事は次の居住地探しと荷物運びの手伝い、その他諸々の手続きを二人に成り代わり行う事が主だった。



「駆け落ち…二人は二度と会わせないようにする。これで依頼は終わりだ!私は先に帰らせて頂く!」



そうくると思ってましたよ。誰でも己の半分も生きていない若造に仕切られたら、面白くは無いだろう。
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