Better half
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◆◆Better half◆◆
side 由記
久しぶりに日曜の休みをとった。
今日、栄祐と海までドライブの約束をしている。
まだ梅雨は明けなくて、暫く雨空しか見てない。
だから天気が心配だったけれど、私はついてる!
見事な晴天!
デート日和だ。
けれど、電話の向こうで
「《また、ユウちゃんが一緒なの?》」
栄祐が微妙そうな声を出した。
私の幼馴染み“ユウ”を、私が誘ったことに栄祐は少々落胆気味。
そんな栄祐に私は少し甘えた声を出してみる。
「いいでしょう?栄祐と私は、いつでも二人っきりになれるじゃない?」
「《まぁ…いいけどさ。由記は、もしかしたら、俺よりユウちゃんが大事とか?》」
過去にも、何度か聞いた、このセリフに、私の声のトーンは少し下がる。
「なんで、そうなるの?」
これは、私のいつものセリフ。
「《…俺と二人きりになるの嫌?》」
そう言う訳じゃない。
栄祐とユウを天秤になんてかけられない。