Better half
―――

良かった。

栄祐が、ユウを抱えて浜辺に戻ってきた。

濡れた二人。

栄祐の男らしい腕に、ユウが抱えられている。

私は、二人に近付く。

「ユウッ!大丈夫!?」

私の問に応えずに、ユウはヘナッと砂浜に両手をついてしゃがみ込んだ。

ユウの肩が、荒く上下に揺れる。

「栄祐、大丈夫!?」

そう言いながら、栄祐に歩み寄る私に

彼は頷きながら、砂浜に腰を落とした。

「俺は…ハァ…大丈夫だから…ゆ…き…チャ…ンを見てやって…」


その言葉に、私は、違和感を覚える。

(えっ!?ゆ…き…?)

こんな時に

どうしたのかな…私。

だって…

だってね…

栄祐が、ユウを

“ゆきちゃん”

なんて言うから…。

だってね

ずっと

“ユウちゃん”だったよね?

あれ?

なんで?

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