花火☆letter
数分後……
俺たちは、玄関前の石段に腰を下ろし、肩を並べ、線香花火に火を点けた。
「ねぇ、雄大?
知ってる?」
「うん?」
「田上君と小夏ちゃん、別れたんだって」
『田上君と小夏ちゃん』とは、同級生のカップル。
仲が良くて、美男美女カップルで、学年中の
“注目カップル”だった。
「あんなに仲が良かったのに……
あっさり別れちゃって、ちょっと残念。
お似合いだったのになぁ……」
「何で別れたんだろうなぁ?」
「さぁ?それはよく知らない」
「まぁ、人の恋愛にどうこう言うつもりはないから、別にいいんだけど」
「どんなに仲良くても、別れる時は、一瞬のうちに気持ちが離れちゃうのかな……?」
人の事なのに、凛花は本気で寂しい顔をしていた。
そんな素直な凛花が、俺は好きなんだ。