「傍にいてやんよ」



数分で着いた。


まだ彼は来てない。


遊具のそばの、木のベンチに座る。


まず最初になんて言おうかとか、こう言ったら怒るかなとか、きれいにまとめてないんだけど、今あたしが思ってること、全部伝えよう。


「……かすみ」


呼ばれて顔を上げる。


「そうた……」


走ってきたの?


息が切れてて、頬も手も真っ赤で、そのうえけっこう薄着。


「……なに?」


隣に座った颯太と、距離があった。


「あのね、うまく伝えられるかわかんないんだけどっ、……あたし、はる君とは何もないよ」


「で?」


…それ、けっこうグサッと来る


「なのに…さっき、いきなり好きって言われたの」


「………ききたくない」


どうして?


「でも断ったの」




「…嘘はききたくない」


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