告白
今まで一度も手紙には名前を書かなかった。


書けなかった。


こんな、デブな私が手紙の相手だと知ったら、清水くんはもう手紙をくれないかもしれない。




『うわー、デブがきたぞー。』

『デーブ、デーブ、こっちくんなよ。』


小学生の男の子の声を思い出す。


からかう男の子たち。


何度も経験してる、辛い体験。


さすがに中学生になると、そんな事する人はいなくなったけど、可愛い子や綺麗な子とは完全にあつかいが違う。



『あれはないなだろ。』

『そうだな。』


すれ違い様に聞こえて来る男子の声。



もし、手紙の相手が私だと知ったら、清水くんは…。

怖い。


怖くて、名前が書けない。
< 23 / 281 >

この作品をシェア

pagetop