告白
もしかしたら、あの花壇の場所にいるかも知れない。
早く見つけないと帰ってしまうかも。
早く、早く行かなきゃ。
「キャー王子ー」
突然の黄色い声。
清水くんが校庭の奥ににあらわれたらしい。
花壇じゃなかったんだ。
でもよかった、まだ帰ってなくて。
みんなが、制服のボタンをもらおう、写真を一緒に撮ってもらおうと清水くんに向かって集まりだす。
「ごめん、この後用事あるから。」
清水くんがみんなに囲まれる前に走り出した。
えっ、清水くんが行っちゃう。
早く行かなきゃ。
囲みを抜けようとしたら、腕を捕まれた。
「なぁ、アドレス教えろよ。」
誰?
「おい、聞いてんのかよ。」
きらりが私を大切にしてるのはみんな知ってるから、こんなふうにされたことない。
いつもきらり目当ての人には優しくされていた。
きらりによく言ってほしいっていう、上辺だけの優しさだけど。
「聞いてんかって。」
腕を強く握られる。
「ちょっと痛い。」
なんでこんなに強く握られなきゃならないの?