告白
「痛がってるだろ。」


「何してんだよ。」


「手離せよ。」



周りの男子がにわかナイトにかわる。


うれしいけど、いいところ私に見せてきらりにアピールする気満々で、感謝する気持ちにあんまりならない。



しかし痛い。



周りからいくら言われても手を離さない目の前の男子。


その熱意はきらりに向けてほしい。


間違ってるよ、その熱意。

「アドレス教えてくれれば離してやる。」


えーと、この人、俺様?


勘違い男?


こんな人見たことあったかな?


同じ学年なんだから見たことぐらいあると思うんだけど、知らない顔。


あんまり学校来てない?


不良ってことですか?


見た目、カッコイイ不良って感じかな。


耳、重くない?


ピアス何個つけてるの?


て、ゆーか、あなた誰ですか?


名前ぐらい言ってよ。


「奈津美ー。」


周りがうるさいから、隠れてると言っていたきらりが戻ってきた。


きっと、どこからか見ていて私を助けに来てくれたんだろう。
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