告白
「まず、奈津美は『こんな私』じゃないよ。
すごくやさしくて、人のいい所を見てくれる。
だからこんな私の親友になってくれた。
テブて言うけど、奈津美は、ぽっちゃりよ。
ふくよかですごく奈津美の雰囲気とあってる。」



きらりの言葉にうれしくて目が潤んできた。



「あんなテニスコートの王子様なんて呼ばれて、親衛隊に囲まれてる、バカ王子になんて、奈津美はもったいない。」



はは…、あいかわらず、清水くんに興味なしと言うか嫌いだな。


きらりこそ『こんな私』って言っちゃってるし。


きらりは小学生の時、女子からイジメをされてた。


『私が好きなのにしってるのに、きらりがとった』みたいなのが、始まりだったようだ。


きらりはすごくかわいいから、男の子みんな夢中になるよね。


その時だって、たんにその男の子がきらりことが好きだっただけで、きらりが好きだったわけでもなく、付き合ったわけでもないのに。


たったそれだけの事なのに。


違う小学校の私はそんなの知らなかったし、入学式で同じクラスにすごくかわいい子みつけて、思わず話しかけた。


そしたら、びっくりしてたなきらり。


三日ぐらいしたら、きらりのうわさが聞こえだした。

きらりと同じ小学校の女子が流したんだろうけど。



友達の好きな男の子をとる。


男好き。


家が金持ちでかわいいからって他の子をばかにしてる。



それって、どう聞いても、うらやましくて嫉妬してるとしか思えなくて、思わず、きらりに聞いたんだよね。


そしたらきらりすごく泣いちゃったんだよね。


「みんなうわさを信じて、誰も話し聞いてくれなかった。」って。
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