告白
みんなもうわさなんてやめて、きらりに聞けばいいのに。


とても簡単なことなのに、なぜかみんなうわさを信じる。


なぜだろう?


なんでそんなことで、きらりが傷つかないといけないんだろう。


なんで、こんなにステキなきらりが『こんな私』って言わなきゃならないんだろう。


「きっきらりは、ふっく、『こっこんな、わたし』じゃないー。」


「えっ、ちょっと奈津美。」


突然泣き出した私に、きらりがビックリしてる。


「きらりは『こんな私』じゃないよー。
ふぇわーん。」


「きらりはすごくすごくステキな、うわーん。」


なんかもう言葉に出来ない。


「バカ奈津美。
そんなに泣いて。
そんな奈津美こそステキだよ。」



なっなんか、これって。



「ふっぐす、ふふ…。」



「何?
なんで今度は笑ってるの?
もう泣くか笑うか一つにしなよ。」



「だっだって、テニスコートの外で二人、二人して
『こんな私』って言って。
ぷっふは…。」


「ふふ、本当だね。
なんか二人してばかみたい。
うん、私たちは『こんな私』じゃないね。」



二人の笑い声がテニスコートに響いていった。
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