僕の恋愛100パーセント。アスターの思い
僕は夏美から携帯を取り上げると、そのまま夏美の手をとり、放送室まで連れて行った。夏美は椅子に腰掛け「何？怒ったの？」と言った。

確かに夏美がしたことに腹はたっていたがそれどころではない。

「夏美、携帯代をどうやって払ってるの？」

夏美は、はじめ、驚いた顔をしたが、すぐに大笑いへとかわった。

「何かと思えばそんな事」

「そんな事って、結構するぞ」結構どころではない。デートどころか何もできない。青春が携帯に奪われる気さえするのに。

夏美は「親が払ってくれてるわ」

「えっ小遣いは？」

「ちゃんと貰ってるわよ」

なんて、いい親なんだ。家の親なんか一言だった。「携帯代は自分でなんとかしなさい」と。

そこに雅がやってきた。「夏美がまたなんかしたのか？凄い勢いで引っ張ってたな」

「したけど、そんなことじゃないわ」

「なあ、雅、おまえは携帯代をどうしてる？」

「親と家族サービスだから親が払ってくれてるよ」

「ねえ、くだらないでしょ。けんけんの財布の中身まで管理できないわよ。ねえ。」

「まっあれだ、バイトだな。おまえんち居酒屋じゃん。バイトさしてもらえよ」

青天のへきれきとはこのことだ。自分の家が自営している事をすっかり忘れていた。
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