僕の恋愛100パーセント。アスターの思い
酔っ払いの相手がこんなに疲れるとは思いもしなかった。皿洗いや料理を運ぶだけと考えていたがあまかった。

実際は常連客の愚痴だ。中でも一人の中年の男性はかわいそうなほど荒れていた。

「兄ちゃんよ、結婚なんてするもんじゃない。女房の奴、一週間も口をききやしねぇ」と、いったぐあいにだ。僕は相槌をうつことしかできない。無口な父はその光景をみて口元が緩くなっている。

そのおじさんのために洗い物がたまり、深夜の1時までバイトをするはめになった。

人間とは適応能力の凄いものだ。一週間でバイトに慣れる事ができた。酔っ払いの愚痴を真剣に聞かなければいいだけのことだった。
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