僕の恋愛100パーセント。アスターの思い
雅の視線の先には夏美がいて夏美の視線の先には僕がいる。ただ明らかに違うのは視線の温度差だ。この渡り廊下で互いに自分たちの感情を視線でぶつけ合っている。

夏美の視線は冷ややかなものだ。何が言いたいのかさっぱりわからない。

冷ややかな視線が近づいてきている。何を言われるんだろう?夏美は僕の腕を掴んで放送室ではなく、屋上に続く階段へ連れて行かれた。

「なんでこんなとこに?」

「放送室だと雅がくるからよ」

「えっ」

「なんで最近、放送室にこないのよ」

「別に理由はないよ」理由はあったが言えるはずもない。

「理由ないなら来なさいよ。雅と二人だとなんか息がつまるのよ」

雅の恋愛は、僕より前途多難だな。

「まっ出来るだけ顔だすよ」と言って僕は教室に向かった。
< 23 / 58 >

この作品をシェア

pagetop