僕の恋愛100パーセント。アスターの思い
それは、雅にとっては突然の出来事だろう。実際、夏美の剣幕はすごいものがあった。多分放送室の外まで聞こえていたはずだ。「何、言いたい事があるならはっきりいいなさいよ。見てるだけで苛立つのよ」夏美はそういうと放送室をあとにした。

見てるだけで苛立つとはひどい言葉だ。まして好きな人に言われるのだから相当なショックだろう。

僕は慰める言葉がみつからない。雅は黙ったまま放送室をでて行った。

僕はどちらを追い掛けるべきなのだろう。どちらも悪くはない。夏美は少し言い過ぎだとも思うが、それはつもりにつもった結果だし、雅はあと一歩の勇気が必要だった。

たったそれだけの事で僕たちの友情はもろくもくずれさろうとしている。

中立の立場って辛い。この場に僕が居合わせたのは幸いなのか、不幸なのかが僕の中に疑問として残った。
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