僕の恋愛100パーセント。アスターの思い

けん、けん、誰かが呼ぶ声がする。目をあけると僕の頬をしおりで突いているあおいがいた。どうやらいつの間にか寝てしまったようだ。

「ごめんね、退屈だった？」と聞くあおいの顔は申し訳なさそうだった。

「退屈じゃないよ、ただ昨日、あまり寝てなくて、それに涼しくてつい」

「夜更かししたの？」

「夜更かしになったのかな」

「なった？どうして？」

「嬉しくて」そう、あまりの嬉しさに寝付けなかったのだ。まるでこどもがクリスマスや遠足の前の日に気持ちが高ぶったみたいに。

「私もねつけなかった」

「えっ」

あおいはそれ以上、何も言わなかった。そして話題をかえられたのだった。相対論についての。何もわからなかったって、書いてあることを読むことは出来ても理解は出来なかったと、ただ数式の上ではタイムトラベルは可能だということはわかったって。