僕の恋愛100パーセント。アスターの思い
そう、あおいは冬休みに入るまえに何かを僕に伝えようとしていた。だけど僕には勇気がなくて、あおいの伝えたいことを聞いてしまうともう二度と会えない気がして僕はつねに話題をかえていた。

こんなふうに連絡がとれなくなるなら聞いていればという後悔が罪悪感になり、僕の心をむしばんでいった。

その八つ当たりを夏美にぶつけてしまい、僕は呼び止める夏美の声を無視して学校から離れ、思い出の橋へとむかった。

初めてあおいと挨拶をした橋、初めてあおいと触れ合った橋、そして、事実別れの橋。

本通りを通るカップル達を見ると、あおいと手を繋ぎ歩いてきた日々を思い出してしまう。

橋の真ん中で僕は立ち止まり、解約してならない携帯とあの日にもらったしおりを取り出した。
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