僕の恋愛100パーセント。アスターの思い
夏美はとても苦しそうだった。どれくらい走ってきたのだろうか?

夏美は息をととのえ、もう一度、同じ言葉を言った。「それはだめ」と。

頭の中と行動が違うとき、頭の中で思っていることを言われると、それは魔法のように聞こえる。
夏美の魔法で僕は大切な思い出をすてずにすんでいた。

「前に何故、あおいが絵を描くか知ってるって聞いたよね」と夏美が真剣で僕の行為をゆるせずにいるかのような眼で言った。

その眼に圧倒されたのだろうか?僕は何も答える事ができず、そのまま崩れ落ちるかのように膝を抱え座りこんだ。

僕は夏美の眼をみることができず、膝のあいだに顔を埋めていた。
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