甘々果汁BABY








「お前は馬鹿かっ。」


「いてっ…。」




澪は掌であたしを軽くたたいた。

窓ガラス一面に広がる蒼い空。




叩かれた拍子に
廊下の大きな窓ガラスの方へ

目線を向けた。



今日は快晴か…。




音は聞こえないはずなのに。
真緑色の葉が揺れる音が想像できた。





「真夏に。言えなかったんだ。」


「言ったよ…。でも、弘斗寝ちゃって」




澪は「なんじゃそりゃ。」と呆れかえって、
窓を静かに開けた。





「あぁ~夏だぁっ!!」





大きな声で。
でも教室には聞こえないように



外に向かって澪は叫んでいた。






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