甘々果汁BABY
中間テスト
当日。―――――――――
「あっ。」
「どした?」
「あれ。」
登校中、
教科書をぶつぶつ読みながら
歩いている澪は、あたしの一声で顔をあげた。
あたしは青空にまたがる
ほんの少しの雲を指差した。
「さてさて、今回はなんの形?」
「今日はマスクメロンだよっ。」
「なーんだ、夕張メロンじゃないのか」
「あそこに網目があるじゃん!」
こうやって果物の話になると、
すぐムキになってしまうあたしって…。
「賭けてるんでしょ?野上と。」
「うん。」
「負けちゃえば?」
澪はなんかたくらむみたいに、
ちょっと不気味な笑みを向けた。