甘々果汁BABY







ちょっと寝る体勢を整えるために、
腕を動かしたら


あたしの腕に何かが当たって...


「あ…。」



シャーペンとシャー芯入れが
カタカタと音を立てて床に落ちた。



黙って取りたいところだけど、
今はテスト中だからカンニングになる。



カンニングにだけは絶対なりたくない!


でも...先生は爆睡中だし...。



今の状況に焦るあたしを
微かに嘲笑う声がした。



「ふはっ…」


それはまぎれもなく、
野上くんの笑みだった。



トクン、トクン――――――――





あれ?なんだろ...。



あたしの心を脈が取り乱す。



前もこんなのあった......



そう、学食を運ぶ時...
野上くんの笑顔を見た瞬間…。




ダメだよ。わかんない。


なんで脈が早くなるの?


< 24 / 260 >

この作品をシェア

pagetop