甘々果汁BABY
ちょっと寝る体勢を整えるために、
腕を動かしたら
あたしの腕に何かが当たって...
「あ…。」
シャーペンとシャー芯入れが
カタカタと音を立てて床に落ちた。
黙って取りたいところだけど、
今はテスト中だからカンニングになる。
カンニングにだけは絶対なりたくない!
でも...先生は爆睡中だし...。
今の状況に焦るあたしを
微かに嘲笑う声がした。
「ふはっ…」
それはまぎれもなく、
野上くんの笑みだった。
トクン、トクン――――――――
あれ?なんだろ...。
あたしの心を脈が取り乱す。
前もこんなのあった......
そう、学食を運ぶ時...
野上くんの笑顔を見た瞬間…。
ダメだよ。わかんない。
なんで脈が早くなるの?