甘々果汁BABY
スタスタスタ――――――
「2人とも早く!」
どこからか聞こえる
すずめの鳴き声とともに、
あたしは澪と野上くんを置き去りにして
走りすぎてしまった。
「はしゃぎすぎだろ、あいつ。」
「まぁいいじゃんっ。そうゆうとこが可愛いんだしさ。」
2人の会話はまったく聞こえない距離に
あたしは居た。
「それより、なんで浅井まで?まさかお前も...」
「んなことじゃなくって。あたしも見に来たんだよ。明花のあれを。」
「そーゆうことか。」
「ま、ジュースくらいは奢ってもらうよ。」
なに話してんだろ2人とも...。
って…。
なに気にしてんだよあたし...。
別に2人だけで話してたってどうも思わ...
「あ。そこじゃないの、明花」
澪があたしの真横を指して、
大きな声で言った。
「ほ、ほんとだっ。」
気づけば澪たちは
とっくにあたしに追いついていた。