甘々果汁BABY






時間が過ぎるのが、
これほどもったいなく感じたのは


何年ぶりかな...。



「腹減った~…」


グーグーとお腹の音が鳴る祐磨は、
恥ずかしそうにそうつぶやく。



「そうだっ。あたしなんか作ろうか?」


澪は自分を指差して、
あたしとアイコンタクトをとった。


あたしは『よろしく』って合図を送る。



「何いってんの。明花も作るんだよ。」


「え。」



結局そうなるのか。


まぁ
調理実習で突っ立っているだけの澪に
一人で作れなんて


恐ろしすぎて言えないけど。



「さーて何作ろうかなぁ。」




なんて考えている澪を横に、

エプロンを付けて
髪を束ねようとするあたし。



最近髪伸びたかなぁ…。



パチッ―――――


呑気にそんなこと思っていたら、
ふいに野上くんと目が合ってしまった。


一瞬だったのに...。





なんでだろ。





心臓がうっさい...







< 47 / 260 >

この作品をシェア

pagetop