甘々果汁BABY
時間が過ぎるのが、
これほどもったいなく感じたのは
何年ぶりかな...。
「腹減った~…」
グーグーとお腹の音が鳴る祐磨は、
恥ずかしそうにそうつぶやく。
「そうだっ。あたしなんか作ろうか?」
澪は自分を指差して、
あたしとアイコンタクトをとった。
あたしは『よろしく』って合図を送る。
「何いってんの。明花も作るんだよ。」
「え。」
結局そうなるのか。
まぁ
調理実習で突っ立っているだけの澪に
一人で作れなんて
恐ろしすぎて言えないけど。
「さーて何作ろうかなぁ。」
なんて考えている澪を横に、
エプロンを付けて
髪を束ねようとするあたし。
最近髪伸びたかなぁ…。
パチッ―――――
呑気にそんなこと思っていたら、
ふいに野上くんと目が合ってしまった。
一瞬だったのに...。
なんでだろ。
心臓がうっさい...