甘々果汁BABY
「ごちそうさまでした。」
2人で手を合わせた。
慌てて時計を見ると、
短い針があと少しで『8』を指すところ。
「やっば...。」
スクールバックをリュックみたいに
背中にしょって、
ランドセルの小学生と一緒に
急いで家を出た。
私立校でもうちからは徒歩15分。
電車通学だったら
睡眠好きなあたしは遅刻魔だったな。
「めーいかっ。」
走るあたしの後ろから、
いつもの呑気な声が聞こえてきた。
「はよっ。間に合うかなぁ?」
それはまぎれもなく澪。
澪は自転車通学だけど、
最近はあたしとよく会うせいか
徒歩で来てくれるようになった。
澪とこうやって通学するのも、
ちょっとした楽しみなんだな。