甘々果汁BABY






「大丈夫か?しみるから一旦出るぞ。」


「え?!ちょ…」


「首つかまって。」




弘斗はしゃがみこんで
顎であたしを指示した。




なんか...。


懐かしいなぁ…。




前にもあったっけこうゆうこと。




小4くらいのことかな。
自転車に乗るのが下手なあたしと

新品の自転車を買ってもらった弘斗と


一緒にサイクリングに行った時。


あたしは平らな道でも
ペダルを踏みはずしちゃって...。


『い、いだいぃ~~~!!!』




とか言って
住宅地で泣きじゃくっちゃって。



そのとき、あたしの声に気づいて、
先頭に立っていた弘斗は

Uターンしてあたしのとこまで来て、



『おぶってやる。』




そう言って、
新品の自転車を置き去りにしてまで




あたしをおんぶして
家まで送ってくれたんだ。





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