甘々果汁BABY
あのとき。
みんながこっちを見ていて、
恥ずかしかったはずなのに。
周りなんぞ気にせず、
家に着くまでずっとあたしに
『大丈夫か?』
って声をかけてくれていた。
そんなことを思い出すと、
やっぱり弘斗があたしの……。
「早くしねーと腫れるぞ?」
「あ、ごめ...。でもあたし歩けるから...」
あたしは弘斗の手を借りて立った。
でも、思いのほか
あたしは足まで負傷していたみたいで。
一歩踏み出したら、
そこに激痛が走った。
「いっ……」
あたしの目から我慢しきれなくなった
大きな水滴が頬を伝って流れおちた。