かたつむりの恋心
放課後。

ナツメは図書館に向かっていた。

ノートはまだ真新しく、1ページ目の最後で終わっていた。


〝こんなのはただの愚痴だよね。

思っていることをつたえられないまま、大人になってしまってはいけないと思う。

変わりたい。

だから僕は、こうやって書いてみようと思う。

このノートの最後のページを広げる頃、

少しでも、ほんの少しでもいい。変われていたら。

なにかが動き出すんじゃないかという気がするんだ。〟


うんと迷った挙げ句、ナツメは鉛筆でこのノートに書き込んだ。
< 8 / 30 >

この作品をシェア

pagetop