赤い愉楽
「あなたに逢った男のほとんどは
私と同じ感情になるでしょう。


それほどあなたは魅力的な人。


それなのにあなたはまだ悲しみから
逃れられない。

それが私にはもどかしいんです」




目の奥に悲しみを宿した奥田は
言葉を続ける。



「それに私はあなたに逢うずっと前から
あなたを知っていました」



赤信号で停車する車。


奥田は怜奈の方を向き
目を見つめる。
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