赤い愉楽
「怜奈は僕が貰ってやるよってね」


奥田は再びいやらしい笑いをうかべた。


「その時の奴の顔を見せてやりたかったね!


ははは!


絶望した奴の顔を君に見せたかったよ!


ははは!」



「あの人は絶望なんてしていない」


怜奈がそう言うと
奥田は笑うのをやめた。


「なぜだ?」



「絶望なんてしない」



「だからなぜだっていうんだ!」



激昂して叫ぶ奥田。



< 145 / 377 >

この作品をシェア

pagetop