赤い愉楽
その時僕は耐えきれず
こんな質問をしたんだ。


「先生。何かあったんですか?」



先生は少し沈黙した後


僕の目を見つめ
重い口を開いたんだ。



「君のご両親が
交通事故に遭われた。


2人とも意識がないらしい。


とにかく急ぐんだ」



先生に手をひっぱられ
廊下を走る僕。


現実がつかみきれてない僕。


僕はその時
頭に浮かんだ言葉は


「廊下って走っちゃいけないんだったっけ?」


だったんだ。

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