赤い愉楽
僕は空中をさまよっていた。


飛行機に乗って
空をさまよっていた。


飛行機の乗ってさまよっていた
僕の目に飛び込んできたのは


霊安室の中に横たわる
両親の姿。


その姿を見て
僕は思い知らされたんだ。


本当に思い知らされた。


何を思い知らされたかって?


そう。

それはまるで
この地球上に空気がなくなると


死んでしまうという事実と
とっても似てる気がする。
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