赤い愉楽
「まって!」


その言葉に振り向く男。
相変わらずその顔に表情はない。



「こんなたくさんのお金
なぜ主人が持っているのですか?


主人は普通のサラリーマン。


こんな大金は持っているはずがありません!


それに…」



怜奈は男を見つめる。



「あなたは誰なんですか?」



その言葉の後
部屋の中には一瞬静寂が流れた。


しばらく黙ったまま見つめあう2人。
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