赤い愉楽
もしかしたら主人は怪しい連中と
付き合いがあったのかもしれない。


もしかしたら犯罪に手を染めていたのかも…


怜奈は立ち上がり上を向いた。


遺影を見つめにっこりとほほ笑んだ怜奈。



「そんなわけがない!」


大きな声を出す怜奈。


そう。

そんなわけがない。


彼は真面目なサラリーマンだった。
くそがつくほど真面目なサラリーマン。


会社が始まる2時間前には出社して
玄関の掃き掃除をやるような真面目な人なんだ。


犯罪に手を染めるようなことは
あの人に限って絶対にない。

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