赤い愉楽
尋問
ホントにここは警察の中なのかしら…



怜奈は雑然としたオフィスの
ソファーに座りながらそう思った。



こじんまりとした部屋の中には
机が二つだけ。


誰かのプライベートオフィスらしいが
とにかく警察特有の緊張感が


まるでないのだ。


先ほど制服姿の若い女性が
お茶を入れてくれた。


怜奈の前で濃緑の茶が湯気をたゆらせている。


窓の外は青い空と白い雲。
緑の街路樹がさわさわと風に揺らいでいる。
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