赤い愉楽
上機嫌で話す平野に
冷たく言葉を返す怜奈。



「私はあなたに聞きたいことがあって
ここに来ました。

そしてあなたも
私に聞きたいことがある…」


少し笑ってうなずいた平野は
懐から写真を出した。


「この人ですよね?」


差し出した写真に写る男。


怜奈にとっては忘れようとしても
忘れられない顔。


エキゾティックな顔立ちに
左腕を覆う不気味なタトゥー。


黙ってうなずく怜奈。
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