赤い愉楽
「私もあの人が犯罪に関係してるとは
とても思えません。


あいつは…


あいつはとてもいい奴なんです。


インドを1人旅していて
熱病にうなされている私を


親身になって看病してくれ


貧乏な私に当面の旅費まで
用立ててくれた。


いわばあいつは私の命の恩人なんです。


そんな人が悪に手を染めるなんてありえない!」



怜奈は葬式以来初めて心が晴れた気がした。


皆が主人を悪者扱いする中
この人だけがかばってくれた。

喜びの顔で男を見つめる怜奈。


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