君の目線の先
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幼なじみ
村野 優平。
17歳の高校二年生。
身長は割りと高くて、筋肉もそこそこあって。
顔は、俺の知らない人気俳優に似ているらしい。
モテるかモテないかだったら、確実にモテる部類だけど、俺は彼女を作らない。
理由は…好きな子がいるから。
そいつは、幼なじみの川端 美織。
俺の片想いは長い。
物心ついたときから、美織は俺の隣にいた。
家が隣同士ってこともあってか、俺たちは学校の登下校は必ず一緒だったし、遊ぶときも必ず一緒に遊んでいた。
小学校高学年になると、周りの目が気になって、何もかも一緒ってことは少なくなった。
けど美織は、学校から帰るとき、わざわざ学校から少し離れたところで、俺を待っててくれていた。
そうやって、途中の道から帰っていた。
そういう美織の優しいところが、好きだった。
思いを伝えないまま、俺たちは高2になり、話すことも少なくなっていた。
けど、俺の目線の先には、いつも美織がいた。
でも…美織の目線の先に、俺なんかいなかった。
美織は、サッカー部の新キャプテンと付き合っていた。
そんな高2の秋。