すいません、間違いなんです。
夢だと願いたい。


私の頭は、来週にある浅見先輩の試合の事でいっぱい。



「…あ、もうこんな時間っ!?」


パタパタとリビングを走る私の音だけが
虚しく響く。


リビングの隅には、大きな仏壇。
いつも通りその前に正座をする。


「……いってきます、お兄ちゃん」



写真の中のお兄ちゃん。
笑ってる―――――。


私のお兄ちゃんは、もう居ない。

私の唯一の家族だった人。

でももう居ない。



私が今、こうやって生活出来ているのは
お兄ちゃんのおかげ。

お兄ちゃんが頑張って働いて、貯金してくれてたから。


中高生のお兄ちゃんはすっごい悪だったけど(笑)
高校卒業してからは私のために頑張ってくれてた。
私もお兄ちゃんに迷惑かけまいと色々頑張った。


今、生きてたら25歳かあ…。

< 11 / 19 >

この作品をシェア

pagetop