すいません、間違いなんです。
夢だと願いたい。
私の頭は、来週にある浅見先輩の試合の事でいっぱい。
「…あ、もうこんな時間っ!?」
パタパタとリビングを走る私の音だけが
虚しく響く。
リビングの隅には、大きな仏壇。
いつも通りその前に正座をする。
「……いってきます、お兄ちゃん」
写真の中のお兄ちゃん。
笑ってる―――――。
私のお兄ちゃんは、もう居ない。
私の唯一の家族だった人。
でももう居ない。
私が今、こうやって生活出来ているのは
お兄ちゃんのおかげ。
お兄ちゃんが頑張って働いて、貯金してくれてたから。
中高生のお兄ちゃんはすっごい悪だったけど(笑)
高校卒業してからは私のために頑張ってくれてた。
私もお兄ちゃんに迷惑かけまいと色々頑張った。
今、生きてたら25歳かあ…。